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災害派遣中こそ一層強化すべき国防態勢⑦

2020-10-02

翻って現代の国際社会では、生物兵器の使用は戦争法規で禁じているが、自然発生的な疫病が蔓延し、国防上、重大な支障を来たした戦例はゼロでない。

例えば、第一次大戦末期の1918年に米カンザス州から広がったスペイン風邪は、フランスに展開した米軍将兵から英仏軍に罹患して連合軍の戦闘能力を著しく低下させたのである。

Soldiers from Fort Riley, Kansas, ill with Spanish flu at a hospital ward at Camp Funston
病棟で治療を受けるスペインかぜに罹患した兵士が収容されているフォート・ ライリー英語版)の米陸軍ファンストン基地(1918年か1919年、米国カンザス州)  写真はWikipediaより

更に大東亜戦争中に太平洋戦域で行動した多くの日本軍将兵がマラリア、発疹チブス、コレラなどの現地病に罹患して落命した。更には終戦に伴い復員した将兵から発疹チブスが蔓延した事例は記憶に新しい。

ところで当面の新型コロナも、第一次大戦後におけるスペイン風邪のように、爆発的な罹患現象になれば、我が国の国防能力を減退させる。筆者は、このような視点からもコロナ対処に臨むように切望する。

注:災害派遣の経緯と現状、問題点と対策に関しては最近の拙著、「国防態勢の厳しい現実」(2020,4初版、勉誠出版社)の第5章を参照された

News Letter令和2年6 月号より

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