すべての不幸はバブル崩壊から始まった ②
経済不況から脱却するためには、政権中枢・官邸・財務省(財政政策)、日銀(金融政策)が一体となって適切な政策を行うことである。バブル崩壊時政府はこの適正な経済運営を誤った。日本がTPP(環太平洋経済連携協定)に参加した際の場合の経済効果は2.7兆円(当時金額)と言われていたが、失われた20年の喪失額は3,200兆円だから、その1,000倍以上もある。バブル崩壊以後の不況を現出した政策の失敗は二つある。
①金融引き締め政策(公定歩合6%引き上げ)
②総量規制の導入(不動産向け融資の抑制)
金融引き締めによって市場に出回るマネーを吸収し、総量規制によって土地価格の上昇を抑えたのである。この効果はてき面で、あっという間に資産価格を暴落させ、実体経済を縮小させてしまった。1989年に株価が最高に達したその年に消費税が導入され、バブルの崩壊から“失われた20年”が始まったのである。
1997年には、土地バブル崩壊による不良債権問題が表面化し、山一証券や北海道拓殖銀行の倒産が起こった。
1992年から2009年までの18年間の実質経済成長率は、平均0.7%、名目成長率は0.1%であった。1990OECD加盟国の殆どは実質成長率2%以上、名目で4%以上を達成している。日本の実質成長率は1991年を100とすると、120程度であり、米国の160、欧州の140以上と較べても低い。(経済評論家 池田信夫氏)
1998年時点で、日本の不動産価値は2.797兆円、住宅・宅地の価値は1.714兆円で不動産全体の6割を占めていた。バブル崩壊後で、株と不動産の損失は1.500兆円に達したと言われる。内閣府の試算によると日本の土地資産は、1990年の2.456兆円をピークに2006年末には約1.228兆円となり、およそ16年間で約1.228兆円の資産価値が失われたことになる。一体この惨状は誰の責任なのか?よくよく国民は知るべきである。
News Letter令和2年7月号より
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