新着情報

news

最終的には政治家の責任である①

2020-09-15

 官僚は古い歴史をもっており、中国では秦の始皇帝、いやそれ以前の殷周時代にも官僚はいた。日本では天智天皇の時、大化改新の律令体制により官僚制がつくられた。官僚の役目は、天子や皇帝の手足となって国を治める手伝いをすることであったが、結局は、国民を支配するようになってしまった。

現在日本では、12の省庁があり中央官僚たる国家公務員は58万7,000人いる。地方公務員に到っては、274万人もいる。彼らは民主主義の下では国民によって選ばれた国会議員または地方議員の公務遂行を助けるために存在する。

ソース画像を表示
公務員白書平成30年度年次報告書より

しかし、選挙によって選ばれた議員達は専門知識もない場合が多いので、結局は専門知識のある官僚の言うままになるケースが多い。特に中央官庁の財務省のような場合、財務官僚の手助けは必要とされる。そして結局は彼等の言うなりになる。

これは勿論、怠慢であるが、ここをコントロールできない限り行政はスムーズに行かない。政治的成果を上げるためには、政治家が如何にうまく官僚を使いこなせるかにかかっている。日本の問題点の一つは、内閣が変わっても官僚機構や人事はそのままの場合が多い。

従って官僚は頭上に来た大臣が如何にうっとうしくても、大抵二年位で入れ替わってしまう大臣などは面従腹背で少し我慢すれば去ってしまう。例えば民主党時代の田中真紀子外務大臣の場合、官僚のヒエラルキーを乗り越え直接現場に乗り込んで、指示を出したりしてケムタがられたが、二年もしないうちに消えてしまった。

官僚は如何にして議員達をやり過ごすかを心得ている。こういう点は、アメリカははっきりしている。アメリカでは大統領が交替すれば地方の郵便局長まで変わる。約4,000人位の高級官僚は入れ替わる。人事権は大統領が握っているので、大統領の命ずるままに動く。しかし日本で中立性を理由に首相の意のままではなく、中央人事委員会で決められる。

News Letter令和2年7月号より

*当研究所は、混迷の時代に日本の行くべき方向を示す羅針盤として季刊ムック『和ORLD』を創刊しました。『和ORLD』 では国際情勢の分析や日本の国の価値を世界に知らせていくための特集を企画しています。

詳しくは↓のリンクから 『和ORLD』 ホームページをご覧ください

https://www.sesoken-world.com/

お得な年間購読もご用意しております。ぜひお申込み下さい