災害派遣中こそ一層強化すべき国防態勢④
脅威への対処を意識した米軍の被災地支援
2011年3月12日から約50日間、在日米軍と第7艦隊、それに米本国からの増援部隊は、「トモダチ作戦」と言う対東日本震災対処を行った。
総兵力25000人、航空機200機、艦船24隻に達した「トモダチ作戦」は、1952年における日米安保体制の成立以来、最大規模の対日人道支援活動であった。

写真はWikipediaより
然るに本作戦には災害派遣に多数の兵力を出し、手薄になった日本列島周辺の軍事力を補う狙いがあり、唯の人道支援ではなかった。「トモダチ作戦」の様相は多彩を極めたが、今回は特に顕著な米軍部隊の行動を紹介する。
災害発生から3日後に丁度、サンデイエゴから米韓合同演習に向かう途上の第1艦隊の第5空母打撃群(空母レーガン基幹)は上層部の指令に基づき急遽、進路を変えて本州沿岸に展開した。事後、レーガンは災害救助ヘリの基地、補給品の交付所及び給油所の役割を果たした。更に艦載航空団、約80機は広域にわたる制空作戦に任じたのである。


この頃に第7艦隊の空母ワシントンは、母港横須賀のドックで修理作業中であった。ところが21日にワシントンを中核とする第8空母打撃群は突如、東シナ海に展開し、事後、佐世保に入港した。当然の事ながら南西諸島一帯の戦備強化が、その狙いであった。
News Letter令和2年6 月号より
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